行けばよかったジブリ展
建築展と知らずに行きそびれてしまった『ジブリの立体建造物展』。
図録を借りましたが、行けばよかったとめちゃくちゃ悔やまれます。
ジブリアニメは一通り履修しているものの展覧会に行くほど興味がなくてスルーしてしまっていた本展。
実は建築展でした。
解説は藤森氏。
つまり、建築からアニメをみています。
アニメより建築に重点が置かれています。
さすがは藤森氏。
解説がめちゃくちゃ面白い。
下見板張りや擬洋風建築など専門用語が出てくるたびに丁寧に説明され、すごく読みやすいんです。さらに、同じ専門用語が繰り返し出てきますので、読み進めるたびに知識がアップデートされる感覚。
病院が洋館である理由や、ダイニングキッチンの発祥、宮型銭湯など、建築史と言っていいのかな、ちょっとした建築が建築である理由の解説が興味深く、すごく楽しい。建築史や意匠に詳しくなくてもおもしろく読める仕組みでした。
なお、『江戸東京たてもの園』学芸員さんによる解説も、学芸員さんによる解説という感じで、完全に建築目線。必読です。
アニメと懐かしさ
好きなジブリ作品の1つに『耳をすませば』があります。
小さい頃、団地に住んでいました。
だからかな、作中の月島家に、懐かしさを覚えます。
だって、当時の家にほんとにそっくりですもの。
ジブリアニメの作り込みがリアルな証拠です。
それ以上にすごいのは、住んだことのない風景に懐かしさを覚える不思議。
昨夏、愛・地球博記念公園にある、『サツキとメイの家』に行きました。
圧倒的な『昭和初期』の作り込み。
そこで、“知らないはずの時代”に感じた懐かしさ。
知らないんじゃない、“アニメで知っている”時代でした。
現実をアニメで追体験するのではなく、アニメを現実世界で追体験する。
それだけの説得力とディテールの確かさがジブリアニメほ魅力なのでしょう。
神は細部に宿ると言ったものです。1
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この図録ですが、どんぐり共和国から通販で購入できるみたいですので、展覧会に行ってないけど買っちゃいそうです。
- ミース・ファン・デル・ローエ [↩]