ウェス・アンダーソン監督の最新作、『犬ヶ島』を観てきました🐶🐾
結論から申し上げますと、最高です❗❗
ストップモーション。クレイアニメ
本作は全編、ストップモーション、クレイアニメです。
正直ね、『トイ・ストーリー』を見て育った世代としては、ストップモーションに感動はありません。大人になるまで、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』も CG アニメだと思っていましたから。いまの CG なら、作り物っぽさ、人形っぽさも含めて、撮れちゃうと思うんです。完全に事前情報なしに見たら、変わった動きの CG だと思っちゃったはずです。ただ、あえて、ストップモーションで撮られた映画。そこから伝わるのは、ほとんど、怨念です。
そう、怨念としか呼べないくらい、ものすごい作り込み。予告編を見てみてください。何が言いたいか、分かると思います。細かすぎて狂気。画面全体の情報量に飲まれます。ひとつひとつのセットと人形と、そして日本語が殴りかかって来ます。もちろん、ウェス・アンダーソン独特のカラフルな色遣いや、横スクロール映像も健在です。
ほとばしる、日本愛
20年後の未来の日本が舞台です。ただの未来ではなく、過去(60年代くらいかな)見た未来。未来なのに懐古的。レトロフューチャーな日本。ガイジンが想像するステロタイプなニッポンを詰め込んだ、トンチキな日本像。スシ・カブキ・ウキヨエ・ハイク。ありとあらゆるものをぶち込んだ、ザ・文化の盗用! ただ、それら、日本への思い入れが半端じゃない。ごった煮のように引用される日本文化が、いちいち細かい。ものすごいスピードで流れる映像の節々に、日本人しか分からないような小ネタが挟まっており、追い切れません。いちばん顕著なのは、スシのシーンかな。ネタの上のわさびは、ぜったいわざとだ。そう、日本愛がほとばしっていました。
デザイン的にめちゃくちゃ面白いのは、日本語のタイポグラフィ。英語圏から見るとオリエンタリズム溢れる記号に過ぎないのかも知れませんが、ものすごくシンプルでパワフルでハイセンス。なんなのこれ。めちゃくちゃ楽しい。なんというフォントなのかしら。本作オリジナル?? 教えて、偉い人!!
たぶん、あんまり長い期間上映されないから、今のうちにほんと、観てみて欲しいです。オールタイムベスト、更新かも。楽しすぎて、パンフレットも買っちゃいました。