電子書籍なんて本じゃない
メディアやパッケージとして「紙の書籍」が良く出来ていることは認めます。
でも、検索、管理、持ち運びなど、電子書籍の方が圧倒的に優れている点がたくさんあります。
もしかして、iTunes や iPod ではなく CD プレイヤだけで音楽を聴いています?
あるいは、電子辞書は使わない派?
書籍はトータルデザインで読むべきで電子書籍は認めない
プロダクトデザインとして紙の書籍を主張するのに、文庫本を容認しちゃうの?
ハードカヴァは重くて高い。文庫本なら鞄に入る?
電子書籍なら、もっと軽くて持ち運べるよね。
規格に縛られた文庫本と違い、ハードカヴァの書籍デザインを踏襲したり、(ハードウェアによっては)カラーも自由に使えます。
電子書籍にデザイン設計がないというのは失礼すぎでしょ。
それでも電子書籍は嫌い
電子書籍に魅力がない、と言いながら青空文庫を礼賛しちゃったり。
小栗虫太郎『黒死館殺人事件』が青空文庫で読めるようになった、って悲しむべきこと?
理屈こねずにノスタルジア抱えています、ってはっきり主張しちゃいましょ。いいじゃない、好き嫌い。
電子書籍が普及しても紙の良さは消えないのですから、棲み分けできます。CD のパッケージ販売も、紙の辞書もなくなっていません。
電子書籍は需要がない、儲からない
紙の書籍購入代金(印税、出版社、印刷所、取り次ぎ)、自代行業者への送料(運送会社)、自炊代行手数料(あるいは、『コピーデータ』購入代金)を支払った上で電子書籍を求める読者が、「自炊代行業者が100社あまり成立する」程度には存在するという事実。それなりの日数と費用をかけて手に入るデータが、「紙のデータをスキャンしただけの画像データ」に過ぎないという。出版社から正規ルートで買えるなら、正規ルートで欲しいです。
現在出版されている書籍の大半は InDesign で組まれているのですから、EPUB なり XMDF を DRM 付きで出力できるはず。少なくとも、既存の本をスキャンするよりはずっと低コストに高品質の書籍を作れます。悲願のテキストデータ埋め込みで。
もちろん既存の技術や設備、ノウハウを使い回して生産・流通・宣伝できる紙の書籍と違い、電子書籍には新たな投資が必要でしょう。読書専用端末やタブレット端末などのハードウェアが普及しない限り、パイは限られていますし。でも、いずれは必要になる投資。問題は、既存の関係者にお金が回らなくなること。印刷所や取次店、本屋さんとかね。
だからさ、電子書籍だと凸版印刷と大日本印刷に利益が出ず、出版社自体も困るから反対、って言い切っちゃえばいいのに。
ま、CCCD がいつの間にか消滅、iTunes Store が成功したように、電子書籍も時問の問題でしょう。でも、まだ CD は消えていませんし、消えないでしょう。